
バイオマス素材製造会社の販売促進、なぜ「プロダクト・アウト」では限界なのか
「素材の環境価値は理解してもらえるのに、価格の壁で失注する」 バイオマス素材の製造・販売に携わる企業から、こうした相談を受けることがあります。コストと環境価値のトレードオフ、そして顧客が抱える既存設備との適合性という課題は、素材の品質を訴求するだけの営業スタイルでは解決が難しくなっているのが実情です。
プロダクト・アウト型営業が行き詰まる理由
- 素材の優位性を説明しても、導入コストの説明責任は顧客側に残る
- 既存の生産設備をどう改修すればよいか、顧客が自力で判断できない
- 環境価値を数値化できず、社内稟議を通すための材料が不足する
これらは製品そのものの品質ではなく、「導入プロセスの設計」に起因する課題です。素材の良さを説明して買ってもらう発想のままでは、顧客の意思決定を後押しできません。特に法人購買では、担当者個人が納得しても、社内の稟議を通過させるための根拠資料がなければ商談は前に進まないという構造があります。
海外の先進事例に見る「マーケット・イン」への転換
私は月刊ネット販売にて17年以上コラムを連載する関係で、海外の同業他社の動向をリサーチする機会がありました。欧米のバイオマス素材製造会社では、「素材を売る」から「顧客が法規制や経営目標をクリアするためのシステムを提供する」へと軸足を移す動きが顕著です。
- 導入前に既存設備との適合性を診断するアセスメントサービスを提供
- 環境価値をCO2削減量や補助金適用可否など具体的な指標に翻訳
- コスト増加分を、規制対応コストの回避額と比較提示する
つまり素材そのものではなく、顧客の課題解決プロセス全体を商品として設計している点が共通しています。営業担当者が「売り手」から「伴走者」へと役割を変えることで、価格交渉ではなく課題解決の相談相手として顧客と長期的な関係を築いている点も見逃せません。
MBAコンサルタントの支援が売上増につながる理由
こうしたマーケット・イン型の仕組みづくりには、海外事例を体系的にリサーチし、自社の商流に翻訳する分析力が欠かせません。私自身、マーケティングを専攻したMBA課程で海外の産業マーケティングを学び、インターネットビジネス関連の著書がベストセラーとなった経験から、国内外の一次情報を組み合わせた提案を行っています。
バイオマス素材のように専門性の高い業界では、第三者の視点で海外の売り方の変化を翻訳し、社内にない知見を補うことが、販売促進活動の仕組み化を前進させる近道になります。自社だけで海外の一次情報を継続的に収集し、商流に合わせて再構成するのは容易ではなく、限られた人員で対応している製造業ほど、外部の分析力を活用する意義は大きいといえます。
まとめ
「コストと環境価値のトレードオフ」や「既存設備との適合性」は、素材単体の説明では解決できない構造的な課題です。海外事例に学び、マーケット・イン型の営業システムへと転換することが、次の売上拡大のきっかけになります。
よくある質問
Q1. 海外事例をそのまま国内に取り入れても効果はありますか?
A. 法規制や商習慣が異なるため、そのままの導入では効果が限定的です。国内の業界構造に合わせた翻訳・調整が必要であり、この工程にコンサルタントの分析力が活きます。
Q2. マーケット・イン型への転換にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 顧客アセスメントの設計から営業プロセスへの落とし込みまで、一般的に3~6ヶ月程度が目安です。既存の商流を大きく崩さずに段階的に導入することが可能です。
Q3. 小規模なバイオマス素材製造会社でも実践できますか?
A. 可能です。むしろ小規模企業ほど意思決定が速いため、アセスメントサービスなどの仕組みを先行導入し、差別化要因として打ち出しやすい傾向があります。