海外インターネットビジネス動向


News Volume 83 2001年5月9日

ネットビジネス再考のすすめ

ドットコム企業の株価の低迷などにより、ネットビジネスに対する先行きを不安視する話を聞く機会が増えています。このような中、改めて既存のドットコム企業について考え、今後のネットビジネスへの取り組み方について再考してみましょう。

まず、実際に倒産に追い込まれた米ドットコム企業の原因を考えてみると、総じて焦りが見受けられます。短期間にユーザーを囲い込まなければならない、知名度を上げなければならないという焦り。それらの目標を達成するためには多額の広告宣伝費が必要となります。普通であれば、スタートアップ企業がそのような多額の資金を持ち合わせるはずがありません。しかし、ベンチャーキャピタルを中心にした資金がドットコム企業に投資され、多額の広告料を支払うことを可能にしてしまったのです。

他にも、短期的に利益が出ていなくとも、高い株価を維持できるという時期がありました。そのため、利益を度外視して、将来を期待される青写真を描くことさえできれば投資を得ることができたのです。この結果、低価格をウリにするドットコム企業が登場し、利益が出なくとも、将来的な売上に貢献するであろう購買者をとにかく一人でも多く囲い込めばよいのだという考えに至ったのです。

しかし、これではビジネスとしては健全ではありません。ネットビジネスに限らず、確固としたビジネスを展開するのであれば、継続的に収益を上げることができる十分に検討された長期プランニングが必要となるのです。面白いネットビジネスのアイデアがあるからというだけで起業をするというのでは早急過ぎます。

これらの失敗を教訓に、自社が運営する企業サイトのビジネスモデルについてさまざまな視点で熟考し、段階的に収益増をねらう形を作り上げる必要があります。さらに、ビジネスモデルの立案と合わせて、対象とするユーザーを十分に知ることが必要となります。「ターゲット層が本当に欲しい商品・サービスを提供しているか」、「その提供方法によって長期的にビジネスが成立するのか」など、自社のネットビジネス運営について改めて再検討するべき時期が訪れているのです。

これらの検討時に注意しなければならないことがあります。それは、ネットビジネスの運営者側とインターネットユーザー側に、まだまだ多くのギャップが存在していることを意識しなければならないということです。たとえば、ネットビジネスに関わる企業では、「インターネットはスピードが命である」と言われます。そのため、短期的に物事を考えがちです。しかし、実際に企業サイトを利用するユーザー側の立場で考えると、そんなに急に購買行動を変えることができないという意識が働きます。

米国の大学のMBAコースには、Buyer Behaviorという授業があります。筆者が履修したこの授業では、クラスメートとスーパーを訪れ、一緒に買い物をします。そのときに、「なぜ多くのオレンジジュースの中でこの商品を選んだのか」など、一つ一つの購入商品に対してその場で質問をしていくのです。このことで、どのような要因が購買に影響を与え、それが習慣化しているのかを掴んでいくのです。個人個人の消費者にとって、商品を購入する理由は、本人がそのことを意識しているかどうかに関わらず存在しています。そして、その購買パターンが習慣化すると、なかなか他の購買行動には移行しにくいものなのです。

まだまだ新しい媒体であるネットビジネスにおいては、インターネットユーザーの購買行動というのは、徐々に変化するものなのだと捉え、地道で継続的なビジネス活動が必要なのです。しかし、このことを意識していない短期的なビジネス展開を行うドットコム企業が多すぎました。

さらに、米国の全体的な小売市場におけるオンライン販売の割合は、現時点でわずか1%ほどであると言われています。多くのメディアで、オンライン販売が増加していると言われても、まだその程度の市場規模なのです。つまり、多くのオンラインショップにとって本当の競合となるのは、ネット上の競合サイトというよりは、自社が対象とするインターネットユーザーの生活圏の中にある店舗なのです。

一般の消費者にとって、自宅近くのスーパーやオフィス近くのデパートで今まで購入していた商品を、ネット上で購入するにはそれなりの理由が必要となります。そして、購買行動を変化させるきっかけを与える必要があるのです。

最近では、ネットビジネスに特化した企業よりも、店舗チェーン等を持つ既存企業「ブリック&モルタル企業」が、有利にネットビジネスを進めることができると言われています。これは、前述のように、インターネットが消費者の購買行動をドラスティックに変化させることがないことが徐々に認識され、消費者が慣れ親しんだ既存の購買行動とネットを融合させることができる企業が有利になっていることを示しています。

今後のネットビジネスは、ブリック&モルタル企業のネットビジネスを中心に、今まで消費者が経験してきた購買体験と、違和感の少ない形を作り上げていくことで受け入れられていくことになるでしょう。この変化は徐々にですが確実に進んでいます。そのため、短期的にネットビジネスを捉えるのではなく、長期的にユーザーと付き合っていくスタンスが必要となり、その実情にマッチしたビジネス展開を行うことができる態勢作りが不可欠となるのです。


収益を上げるためのビジネスモデルの再考、顧客の把握、商品・サービスの競争力レベルのチェック、短期的な結果だけに縛られない社内ルールの作成など、ネットビジネスを不安視する時期だからこそ、改めて自社のビジネスを再検討し、長期的にビジネス展開できる態勢作りについて考えることが必要になっているのです。




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