海外インターネットビジネス動向


News Volume 95 2003年5月29日

米国小売市場に与えたネットの影響力


米国Shop.orgの年次調査「The State of Retailing Online 6.0」の主な結果が、5月15日にプレスリリースの形で発表されました。

*2003年版のプレスリリース
 http://www.shop.org/press/03/051503.html


上記サイトのプレスリリース履歴から、本調査の2001年版、2002年版と、そして今回の2003年版の内容を改めてみると、米オンライン販売の小売市場についてのトレンドが分かりやすくなります。

*2001年版のプレスリリース
 http://www.shop.org/press/01/050201.html

*2002年版のプレスリリース
 http://www.shop.org/press/02/061202.html


日本国内のネットビジネスは、多分に米国の動向に影響を受けるため、その動きを逐次確認することは、これからの自社のネットビジネスの将来性を考えるうえで重要な指針になるはずです。

そこで今回は、改めてこの3年間の動きを整理してみたいと思います。

まずこの3年間で、米国のオンライン小売販売市場は急速に拡大しました。

 2000年 424億ドル
 2001年 513億ドル(前年比21%増)
 2002年 760億ドル(前年比48%増)
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 2003年 960億ドル(前年比26%増、予測)


調査対象となった企業は、最終赤字幅(平均)が、2000年の15%から2001年には6%へと縮小し、2002年には赤字が解消しています。2002年には、売上高も48%という大幅な増加を記録しました。Shop.orgは、市場が損益分岐点を超え、いよいよ2003年は利益を生み出す年になると予測しています

調査では注文1件あたりのマーケティングコストも算出しています。全対象企業の平均値は、2000年20ドル、2001年12ドル、2002年8ドルと、着実に下がり続けています。このことも、赤字幅の減少に寄与した要因の一つでしょう。


市場規模の動向を、また別の視点から見てみましょう。

2002年には、全小売市場に対してオンライン市場が占める割合が3.6%となりました。2003年には、4.5%になると予測されています。


オンライン市場が急拡大し、2002年に760億ドルになったといっても、必ずしも新たな市場が創出されたという訳ではありません。消費者が今まで、店舗やカタログで購入していたものを、新たな購入チャネルであるオンラインショップに変更しただけにすぎないというケースもあります。

確かに、購入チャネルが増えれば、購買意欲を刺激され、衝動買いが増えることもあるでしょう。しかし、全小売業の市場規模はそれほど大きく変化しているわけでもないのです。

パイの大きさが限られているのですから、中途半端なサイトでは競合サイトにどんどん顧客を奪われてしまいます。消費者は便利な所で購入します。これまで購入していた店舗がオンラインショップを持っていなかったり、持っていたとしても使い勝手が悪かったりしたら、競合するオンラインショップを簡単に見つけ、手間をかけずに欲しい商品を買うことができるのです。

オンラインとオフラインの相乗効果を考えて、全社的な販売戦略の検討をしなければ、従来うまくいっていた方法で販売を続けていても売上が落ち、「なぜだろう」と自問するだけで終わってしまうのです。これは、不景気とは別の要因なのです。このことをきちんと認識せず、不景気のせいばかりにして、新たなことをしないのは、一種の怠慢経営とさえいえるかもしれません。


上記のShop.org調査でも、各社がコスト効率を考えたビジネス展開に貪欲になっていることを窺わせる記述がありました。今までは、高い費用を負担して、ポータルサイトへの広告出稿を行なっていましたが、コストパフォーマンスの良いアフィリエートプログラムの活用やサーチエンジン・マーケティング(SEM)へと予算がシフトしているというのです


また、優良顧客との接触の機会を増やすために、販売チャネルを増やし、それぞれの間に相乗効果をもたせることにも積極的です。サプライチェーン・マネジメント(SCM)を効率化するために、在庫管理システムのアップグレードを行った企業が63%オンラインショップで店舗の在庫状況を見ることができる仕組みを導入した企業が40%、オンラインショップで購入した商品の返品を最寄店でも受け付けるという企業が78%にものぼっているのです。

コストパフォーマンスの高い宣伝媒体の選定をはじめ、宣伝効果を上げるための広告コピーの検討や、その広告をクリックしたユーザーが目にするページのコンテンツレベルの向上、さらにユーザーの利便性を考慮した各販売チャネルの連携等、ネットビジネスに求められる取り組みはまだまだたくさん存在します。

米国の動きを参考に、競合他社より少し先を行く取り組みをしたいものです。


最後に、Shop.orgのElaine Rubin会長の印象深い言葉をご紹介しましょう。

「小売市場の中で4.7%のシェアを獲得するのに、カタログ販売では100年かかった。オンライン販売は、それをわずか6年で達成しようとしている」




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