海外インターネットビジネス動向


News Volume 112 2007年8月23日

Web2.0時代にお客様の声をネットビジネスに生かす方法


お客様の声をビジネスに生かす。

この重要性は、今も昔も変わりません。

ただ、インターネットの普及とともに、お客様の声を集めることがどんどん容易になってきました。インターネットがなかった頃には、電話やハガキでアンケートを実施し、お客様の声を集めていました。これでは、コストも時間もかかります。既存のお客様に電話をかけるアンケートでは、電話代がかかるのはもちろんのこと、カスタマーサービス部門の電話をかけるスタッフの人件費がかかります。ハガキによるアンケートでも、ハガキの印刷代や郵便代がかかります。さらにこれらの方法では、アンケート結果をまとめるのにも時間と手間がかかるのです。

ところが、インターネットが登場したことで、お客様にアンケートを実施することがとても簡単になりました。ホームページとメールがあると、それほどのコストをかけなくとも、短期間でアンケート結果を集めることができ、集計も楽です。

このように楽になったアンケートを時々実施し、ネットビジネス等の改善に役立てる。このことを実践できている企業が少しずつ増えてきました。今までは、自社のホームページとメールを活用する方法でよかったのですが、Web2.0時代には、さらにもう一歩踏み込んだ方法で、お客様の声を収集することが可能になってきたのです。

参考:
Web 2.0とは、インターネットに関連した各種の仕組みやネットユーザーの体験が、新たなステージにバージョンアップしていることを表す総称です。


今回のコラムでは、米国のInternet Retailer誌のサイトに掲載された、以下の記事を参考に、Web2.0時代のお客様の声の収集方法と生かし方について考えてみましょう。


■ Customers raise their voices



・お客様の声の収集に前向きな企業の取り組み

書籍のネット販売を行なう米AbeBooksは、お客様の声の収集に積極的です。自社サイトに、お客様とのコミュニケーションの場であるフォーラムを設け、正社員がそのフォーラムを1時間おきにチェックしています。

書籍販売を行なうAbeBooks

このフォーラムで、何らかの問題が発覚した場合には、カスタマーサービス部門やマーケティングチームに、その情報が送られ、いつまでにどのような対応をするかが話し合われる態勢が出来上がっているのです。

また、パートタイムのスタッフが、お客様の声を集めるために、自社フォーラム以外の情報収集活動も行なっているそうです。書籍などに関する他サイトのフォーラム、ブログ、ソーシャル・ネットワーク・システム(SNS)で、ネットユーザーがAbeBooksに対して、どのような発言をしているのかを調査し、自社の改善に役立てているのです。

この情報収集活動を通して、お客様とのトラブルの拡大を未然に防いだことがあります。頻繁にAbeBooksを利用している女性が、自身のブログで、AbeBooksに複数の本を注文した時に嫌な思いをしたことを書いていたそうです。注文した本のうちの一冊が、AbeBooksを利用している個人の書籍販売者からの購入になっていました。その本の代金を支払ったにも関わらず、その注文が販売者側からキャンセルになってしまい、本が手元に届かなかったというのです。支払った代金も返金されないままでした。そのことをブログで知ったパートタイムのスタッフは、すぐにカスタマーサービス部門に連絡しました。同部門のスタッフが、その女性に即座に連絡を取り、AbeBooksが代わりに返金をしたそうです。このことによって、優良のお客様との関係が今後も引き続くことになったのです。


・AbeBooksのケースから学ぶこと

1.お客様の声を収集するための仕組み作りの必要性

お客様の声に、真摯な対応を取る。このことが、既存客のリピート購入を促進し、商品紹介ページの購買率をアップすることに繋がるのです。このことを十分に理解していれば、どのようにお客様の声を収集する仕組みを作り上げれば良いのかを検討しやすくなります。

AbeBooksのように、自社サイトにフォーラムを設置することも良いでしょう。テクノラティやグーグルのブログ検索などのようなブログに特化した検索サービスの利用、SNSのコミュニティへの参加など、自社に関連した情報が話題になっている場を見つけて情報収集活動を行なう。手間がかかる方法かもしれませんが、自社ビジネスの改善のためには必要な仕事になるはずです。

テクノラティ
グーグルのブログ検索


2.分析力のアップ

自社に関連した情報の収集力が高まる。このことも大切ですが、ただ情報量が増えれば良いというわけではありません。収集した情報を、どのように分類し、分析するかということがポイントになるのです。

話題になっているトピックの分類方法、話題数の推移に関連した計測指標など、分析力を高めるためには、さまざまなノウハウと気づきが必要になるでしょう。ただ漠然と情報を閲覧しているのではなく、自社にとって分析しやすい形作りのことを常に考え、情報収集活動を続けてみましょう。



3.情報の共有

情報収集で得ることができた貴重な情報を、社内外で共有することも大切です。フォーラムを閲覧しているスタッフが所属している部門だけではなく、AbeBooksのように、カスタマーサービス部門などとも情報を共有し、お客様にとっての最善の方法を常に考えましょう。

また、社内で情報を共有するばかりではなく、その取り組みをお客様にも知っていただくことも重要です。フォーラムを運営している場合には、投稿者だけを意識するのではなく、その投稿を閲覧するお客様たちのことも意識しながら、回答することが大切です。多くの人に見られているということを考えながら、親身な対応を継続する。この意識がなければ、せっかくの情報共有がマイナスに働いてしまうことさえあるのです。



■ 「Web2.0時代にお客様の声をネットビジネスに生かす方法」のむすび

自社サイトでは、お客様が発言しやすい環境を整える。自社サイト以外では、自社が話題になっている情報を迅速に収集する態勢を整える。このような取り組みが、お客様重視の姿勢となって表れ、ホームページに書いている言葉だけではなかなか表すことができない雰囲気作りにも役立つのです。

表面的なお客様重視の姿勢は、すぐに見破られてしまいます。お客様の声に、真面目に対応することは決して楽なことではありませんが、長期的なビジネス活動の安定化には不可欠な要素です。このような取り組みは、社員のモチベーションを上げることにも繋がる場合があります。

企業の存続は、一人でも多くのお客様に信頼していただくことに強く関係しています。このことを忘れずに、お客様の声に耳を傾けながら、一日一日の仕事を大切にしていきたいものです。



AIMがお役に立ちます。

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