海外インターネットビジネス動向


News Volume 38 98年11月18日

年末商戦とオンライン販売

クリスマス、新年に向けてさまざまな年末商戦が繰り広げられる季節が近づいてきました。アメリカでは、11月下旬の感謝祭からクリスマス・新年にかけてのギフト需要ピーク期間を「ホリデーシーズン」と呼び習わしています。今年はその期間、オンライン販売にも確実な伸びが期待できると、各種の調査結果が示唆しています。今回のニュースレターでは、アメリカで発表されている調査結果の一部をご紹介するとともに、カタログ販売企業の行うピークシーズン向けサイト作りについて解説したいと思います。


(1)年末年始にかけての米国市場予想

1.  調査会社「Jupiter Communications」によると、今年のホリデーシーズンを通じた米国内オンライン販売の売上は、昨年の11億ドルから2倍以上の23億ドルになると予想される。(ただしこの数字には、ギフト以外の売上も含まれる。)

2.  「Mood Survey」によると、ホリデーシーズン中の個人の平均的な支出は814ドルになる。

3.  「Retail Shopping Report」によると、すでにアメリカの14歳以上の7.8パーセントが、オンラインで商品購入の経験があり、向こう1年間でその割合が28.4パーセントになると予想される。


(2)今回紹介する「年末商戦とオンライン販売」の事例

Eddie Bauer:
http://www.eddiebauer.com/home/home.asp

(Eddie Bauerは、アメリカ・カナダ・ドイツ・日本に500店以上の販売店を持つ、アウトドア・カジュアル衣料のチェーンです。カタログ販売も行い、積極的にオンライン販売も行っています)

今回は、調査会社「eMarketer」が、カタログ販売会社のカテゴリーの中でもっとも充実しているウェブサイトに選んだ「Eddie Bauer」をご紹介します。まずは、「eMarketer」がどのような選考基準で、このサイトを選んだのかを見てみましょう。

1.  バーゲン品を含む品揃えの豊富さ
2.  適正なネット価格および送料
3.  迅速なオーダー確認を含むサービスの良さ
4.  商品の見つけやすさ
5.  サイトデザインの良さ
6.  ショッピング以外の付加価値

これらの6つの項目で満点を獲得したのが「Eddie Bauer」のサイトです。今回は、ピークシーズンに的を絞ったオンライン販売の工夫に焦点を当てながら、このサイトを解説してみましょう。

●「Holiday Headquarters」

このサイトを訪れると、まず「Holiday Headquarters(ホリデーシーズン特設本部)」と題するコーナーが目に付きます。この時期、ギフト商品の販売を伸ばしたいと考える企業であれば、当然このように、サイトのトップページに目立つ形で専用コーナーをレイアウトすべきでしょう。

では、特設コーナーの中身を見てみましょう。

1.  多様なカテゴリー別に整理されたギフト商品

ここでは、予算に応じたギフト選びのヒントになるよう、25ドル以下、50ドル以下といった価格帯別のお薦め商品を紹介しています。さらに、彼氏・彼女のためのギフトととして喜ばれる商品のカテゴリー、クリスマスの室内装飾になるかわいいデザインの靴下や、その中に詰めて贈り合う小物類のカテゴリーなどを用意しています。

オンラインでの売れ筋の価格帯や、この時期のギフトとして購入されることの多い価格帯を考慮したカテゴリー分類、インターネットユーザーの多くが20代、30代であるということを考慮した商品群、さらにちょっと楽しさ、ユニークさを盛り込んだクリスマス関連商品群を取りそろえ、品数が豊富なサイトになっています。

2.  無料発送

12月13日までに100ドル以上の購入をした人には、無料で商品を発送するサービスを提供しています。この時期は、仕事の追い込みで忙しく、プレゼントを買いに行く時間が十分に取れない人も多いことでしょう。多忙な人々を狙ったオンライン・ショッピングの促進策は各種ありますが、この「期間限定の無料発送」も、購買意欲を刺激することができる一つの方法です。

3.  ギフト商品検索機能

品揃えの多いこのサイトでは、カテゴリー分類された商品からギフトを選ぶだけではなく、ユーザーがどのような目的でギフトを探しているかを答えるだけで、それに合ったお薦め商品のリストがみつかるサービスを行っています。「贈る相手」「プレゼントの名目」「希望する商品のカテゴリー」「希望価格帯」という選択肢が用意され、ポップアップメニューで該当する項目を選ぶだけで簡単に検索をすることができます。

4.  プレゼントに欲しい商品の登録

アメリカでは、ギフトに関して合理的な習慣が定着しています。「Eddie Bauer」のサイトでは、この習慣を生かして、個人別に欲しい商品のリストが登録できるコーナーを用意しています。登録者にギフトを贈ろうとする家族や友人は、好きな時にこのリストを参照して、その中から自分の趣味や予算に合ったものを注文することができるのです。贈り物の重複を避けたい結婚や出産のギフトにもよく使われており、アメリカ人にとってなじみのある習慣なので、ユーザーに喜ばれるサービスになっています。

5.  商品券とラッピング

ギフト選びのコーナーがどんなに充実していても、「相手の趣味やサイズがよくわからない」という贈り手はいるものです。また、企業が従業員向けに一括でプレゼントを用意したい場合もあるでしょう。そのようなカスタマーニーズに応えるために、オンラインで「商品券」の注文ができるようになっています。どのような状況にも対応することができる販売形態を常に考えた、ユーザーフレンドリーなサイト作りが大切です。「Eddie Bauer」はさらに、ギフト専用の化粧箱や包装紙を使ったラッピングサービスも用意し、付加価値を提供しています。


このように、消費者のショッピング意欲が高まっているこの時期、他の季節とは異なるカスタマーニーズをきちんと掴むサイトデザインを心掛けなければ、みすみす販売機会を逃すことになってしまいます。ビジネスの世界では、インターネットという媒体が誕生する以前から、年末商戦に向けて特別な販売戦略が展開されていたはずです。その発想をオンラインの販売にも取り込み、オフラインとの相乗効果を生み出してください。



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