海外インターネットビジネス動向


News Volume 55 99年9月7日

急成長市場を取り込む

現在、インターネットビジネスに特化したサイトの多くは、広告収入によりビジネスを成り立たせようと考えています。しかし、企業から実際に出稿される広告の量は、急増する広告スペースに比べて、まだまだ限りがあります。この現状を認識することなしに新しいウェブサイトを立ち上げても、成功は期待できません。

この問題を解決するためには、他社が追随できないほどの集客力を持ったサイトを作り出し、多くの広告を獲得するか、広告収入だけに頼らないビジネスモデルの構築を行うか、どちらかの選択が必要となります。

今回のニュースレターでは、前者の「集客力あるサイト作り」の一つの方法として、学校教育という急成長市場を取り込み、一気に代表的サイトの地位を獲得した企業を事例に、何がポイントであったかを解説しましょう。また、その教育サイトが急成長した背景にある米国の学校とインターネットの関係についても簡単に説明します。


(1)米国の学校のインターネット事情

米国政府は、1996年通信法(1996 Telecommunications Act)によって、毎年20億ドルを投じて全米の学校と図書館からインターネットにアクセスできる態勢を整備することを決定しました。その結果、米国各地の学校でインターネットの導入が急速に進んでいます。CRITO(Center for Research on Information, Technology, and Organizations)によると、全米の小学校から高校までの約90パーセントが何らかの形でインターネットにアクセスできる環境にあります。98年には、全米の学校で合計860万台のコンピュータが保有されており、生徒6人に対して1台の割合でコンピュータが普及した計算になります。

インターネットにアクセスするためのツールを獲得した学校では、これらを教育や課外活動にどう生かしていくかが次の課題となっています。上手に活用すれば無限の可能性をもたらす一方で、使い方を誤れば有害にもなるインターネットの強力さを、教師も親もよく理解しており、有効な指針を求めているのです。


(2)今回紹介する「急成長市場取り込み」の事例

FamilyEducation Network:
http://familyeducation.com/

米調査会社のMedia Metrix社は、98年11月から99年6月の期間、児童教育に関連するウェブサイトの中で、もっとも成長が著しかった企業として、FamilyEducation.comを選出しました。同社のサイトを訪れたユーザー実数の伸び率は65パーセントにもなり、Ivillage (41%)やWomen.com (27%)など、類似サイトを大きく引き離す飛躍的な伸びとなっています。

このサイトは、先にも触れた政府主導による学校と図書館のインターネット化の流れ(自社にプラスとなる外的要因)を良く掴み、同サイトが対象とする親・教育関係者・学校がどのような情報・サービスを欲しているかを理解し、ビジネスを通して社会貢献を行いたいという姿勢を積極的に示すことで、急成長市場を巧みに取り込んでいます。

それでは、同サイトの成功の秘密を見ていきましょう。


1.  トレンドとターゲットの把握

インターネットビジネスのプランを検討する段階において、対象とするインターネットユーザーの絞り込みが十分にできていない企業が多く存在します。ユーザーから長く支持されるサイトを構築するためには、自社を取巻く環境の変化を含め、刻々と変わるユーザーニーズを的確に把握し、そのニーズに十分対処するコンテンツを提供することが必要です。FamilyEducation.comの場合、教育とインターネットに関する各種の調査結果を参考に、提供すべきコンテンツやサービス内容を検討しました。以下は、その一例です。

●教師の75.9パーセントが、授業にインターネットを取り入れている。
●教師の50パーセントが、「インターネットを活用したリサーチで教え方が変化する」と回答している。
●教師の92.7パーセントが、「生徒がインターネットを利用したリサーチを行っている」と回答している。
出典:Quality Education Data社


2.  的確で十分な情報

上記のような実態を踏まえ、同サイトでは、変わりつつある教育方法などについて教師に情報提供を行うコーナーを設けています。さらに、親向けのコーナーとして、小児科医や心理学者などの専門家からアドバイスが受けられる場も設け、サイトの新鮮さを保っています。すでに、同サイトが提供する情報量は1万ページを超えていますが、これらは、しっかりとターゲットされたユーザー毎にわかりやすく整理されています。このように、豊富で有益な情報を発信することで、「教育関連情報が欲しければ、FamilyEducation.com」という定評を作り出しているのです。


3.  無料サービス: School webCreate

インターネットで情報交換することが当たり前になりつつある米国では、学校においても、単にインターネットから情報を集めるだけでなく、自らサイトを構築し、情報発信を行いたいというニーズが高くなっています。この動きを敏感にとらえたのが、FamilyEducation.comの新しいサービス、「School webCreate」です。

これは、学校向けに無料で専用サイトのスペースを提供するホスティング・サービスで、サイト構築の経験がない学校関係者でも簡単に作成・公開ができるさまざまな機能を盛り込んでいます。各校のサイトには、FamilyEducation.comサイトへのリンクがプラスされ、訪問者への便宜を図ると同時に、FamilyEducation.comのユーザー層拡大に結びつけようという仕組みです。このように、ターゲットが必要とするサービスを無料で提供し、一気に市場を押さえるというビジネスモデルの構築は、急成長市場を獲得するための有効な手段の一つです。これまでに、全米400校以上の学校が、このサービスを利用してサイトを立ち上げています。


4.  広範な提携戦略

FamilyEducation.comがリンクしているのは、学校だけではありません。同社は、PTA組織などの教育関連団体とも積極的に提携しています。インターネットの世界は、先行有利です。このことをよく認識しているFamilyEducation.comでは、教育関連団体でもインターネット活用ニーズが高まっていることに注目し、「Community webCreate」という無料の姉妹サービスも開始しています。このサービスを通して、教育現場をとりまくさまざまな関連団体との結びつきを強め、自社の知名度を高めることに役立てています。


今回ご紹介したFamilyEducation.comのように、急成長市場の実態を的確に把握し、その市場のシェア獲得を確実に広告収益に結び付けるビジネスモデルを築き上げることは、意外にむずかしいものです。有望な市場をタイミング良く見つけ出し、ターゲット層の実情やニーズを理解し、それらに合わせた的確なサービスを提供することで、自社サイトに多くのユーザーを誘導する仕組み作りが必要となるのです。この流れは、これから広告収益を柱とするインターネット・ビジネスの創出をめざす企業にとって、必ずクリアすべき課題になるはずです。今回のニュースレターを参考に、確実に収益を上げられるサイト作りの戦略を再検討してください。




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